2022年度スローガン
一志団結~絆の力で新たな可能性へ挑戦~
第61代理事長 仲宗根 清二
【はじめに】
1962年の創立以来、宮古青年会議所は「修練・奉仕・友情」のJC三信条の下、明るい豊かな地域社会の実現のために邁進してきました。
昨年は創立から60年を迎え、これまでの運動の歴史を振り返る機会をいただきました。
ハンセン病患者の支援、下地島空港パイロット訓練所誘致活動、東京直行便の誘致運動など、宮古圏域が抱える様々な社会的課題解決に弛まぬ努力で挑み続けた先輩方の数々の偉業に、喜びと誇りを感じました。
発展した現在の島の姿は、先輩方がその時代背景に適したJC運動を展開してきた証であると言っても過言ではありません。
しかし、これらの運動は市民や行政・他団体のご理解とご協力があってのものであり、そのおかげで今の私たちが在ることも改めて認識いたしました。
私たちは、先輩方が運動を通して紡いでくれた多くの方々との繋がりや絆、そして感謝の心を礎に次代を担う青年世代として、島の発展のために何ができるのかを模索しながら、新たな可能性に視野を広げ、挑戦し続けて参ります。
【全員で成長をつかむ一年に】
青年会議所は単年度制で役職が毎年変わる事で会員全員に成長のチャンスが平等にあります。
役職を担うことで、日々の生活に少し負荷がかかりますが、受けた役に対し真剣に向き合い、ない時間を作って取り組むことで、必ず自己成長に繋がるようになっています。
得られる経験や知識、人脈の広がりは一生ものとなりますが、この成長の果実は会員全員に分け与えられるようにもなっています。
事業を実施するときは、会員一人ひとりに役目が与えられるので、能動的に機会の提供を受けて欲しいのです。
言い換えれば、J Cの事業や運動は会員全員のものであり、全員に成長の機会が提供されているのです。
目の前にある果実に手を伸ばし、自己成長を図るチャンスを自分自身でつかみ取ることは自身の信頼にも繋がるのです。
【繋がりの再興と拡大】
昨年は60年という節目の機会を活かし、周年記念事業を多く開催させてい頂きました。
その中でも、60周年記念式典・祝賀会は、私たち現役会員にとっては、これまでJCI宮古の運動にご理解とご協力をいただいた関係各者との繋がりの強さを改めて認識することができた大きな後押しとなる機会になりました。
しかし、緊急事態宣言や蔓延防止策が1年弱続いた期間は、会員同士の交流はおろか、対外関係者との対面自体も難しく、非対面を条件とする新たな事業構築を強いられました。
今年度は内外の繋がりの再興を図り、コロナ禍で疲弊した地域社会の発展のために、これまで以上に連携を強めていく必要があります。
また、宮古島にはそれぞれの目的に沿って活動を展開している様々な団体があります。
昨年は宮古島市社会福祉協議会とパートナーシップを結ばせていただきました。
災害支援や貧困問題に取り組む宮古島市社会福祉協議会との連携、また他者との協働の動きは、これからのJC運動の幅を広げてくれます。
多くの団体が手を取り合い、互いの得意分野を活かし、宮古圏域の抱える課題に取り組むことで、この不安定不確実な激動の時代を切り拓いていけます。
JCI宮古はそのネットワークを先だって構築し、その波及が各団体に広がるように運動を起こしてまいります。
【新たな地域活性化を創る】
新型コロナウィルスが与えた社会への影響は大きく、「宮古バブル」と言われた爆発的な好景気は影を潜めてしまいました。
感染拡大防止のために島の活力でもある2大イベントの宮古島トライアスロン大会と宮古島夏まつりの開催が2年連続で見送られております。
2022年は既にトライアスロンの3度目の延期が決まっており、その他にも人が集まるイベントや学校行事のほとんどが延期や規模縮小での開催に追い込まれ、地域は元気を失いかけています。
しかし、ワクチン接種により感染者減少に転じた昨年9月から賑わいが少しずつ街に戻ってきました。
人が集まると活気が生まれ、人が動くと経済活動が盛んになります。
地域の元気を取り戻すためには感染拡大防止策を講じたイベントやお祭りの開催が必要です。
宮古青年会議所は創立以来、より良い地域の未来のためにどんな困難にも諦めず挑戦し、時代を切り開いてきました。
私たちはその創始の精神を受け継ぐ責任世代として、新しい地域活性化の形成に取り組んでまいります。
【次代を担う人財の育成】
学校休校や長引いた行事や部活動などの自粛により、人や社会との交流機会を失った子ども達は計り知れない影響を受けております。
インターネットやスマホ、テレビは幅広い知識を身につけ、情報収集能力が昔に比べ格段に向上した半面、それを閲覧する時間の増加などから、生活リズムの乱れや学習意欲の低下、人と人とのコミュニケーション不足等、様々な場面において深刻に懸念されています。
将来、進学や自己実現を目指して島を離れる子どもたちにとって、この青少年期に育む友情や仲間との絆は大切な心の支えとなります。
島の宝である子どもたちが、育った宮古島を誇りに想い、夢や希望をもって世界に羽ばたいていくには地域全体で支える取り組みが必要です。
また、1970年より40年以上続けてきたJC杯少年野球大会もコロナ禍の影響により、2年連続で中止となっています。
本事業は、長きに渡り子どもたちの心身の健全育成の機会を提供してきましたが、近年は青少年育成事業として社会を変革する運動となっているのでしょうか。
1970年より社会も人も生活様式も変わりました。
人口減少が進み、学校の統廃合や野球部の人数が足りずに連合チームを組んで出場するチームも出てくるようになりました。
その中で続ける意義や価値は、視野を広げて見直さなければなりません。
今の時代に沿った新たな可能性を見出し、先輩方の想いのこもった歴史あるJC杯少年野球大会を新たな運動として昇華させていきましょう。
【SDGs推進】
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連が採択した先進国を含む国際社会全体の2030年に向けた環境、経済、社会についてのゴールです。
次の世代により良い環境や資源を維持して繋いでいくためには、行政機関だけでなく、企業や個人でも意識を高めて、取り組んでいくことが重要です。
しかしながら、SDGsの認知度は徐々に広まっているものの、実際に取り組みを始めている団体・企業は多くはありません。
私たちの目指す明るい豊かな社会を創造するためには、SDGsに対する認識や取り組みを広めていくことが不可欠だと考えます。
宮古青年会議所は、SDGsを内外に推進することで地域社会の改善のため、様々な運動に連動させ、持続的に発展し続けるまちを創造していきます。
【下地島空港の可能性から新たなまちづくり】
下地島空港は長さ3,000m、幅60mの滑走路があり、現在はスカイマークやジェットスター・ジャパンなどのLCCが乗り入れているほかに、航空パイロットの訓練飛行に活用されています。
また、沖縄県が公募した「下地島空港及び周辺用地の利活用事業提案」に「国際線等旅客施設整備・運営及びプライベート機受受入事業」、「下地島宇宙港事業」などが採択され、下地島空港の持つポテンシャルに宮古圏域の更なる発展に期待が高まっています。
しかしながら、経済活動の再建が進み、下地島空港の利活用が本格的に始まる時、現状の島内インフラでグローバル化に対応可能なのか不安が募ります。
島が発展していくことと、島民の生活が豊かになっていくことは比例しなければなりません。
そのためには、私たちが宮古島の未来を見据え、広く地域社会に働きかけていく必要があると考えます。
地域と共に新たなまちづくりに向けて協働する機会の創出を図ります。
【結びに】
60周年の節目を迎え、私たちは新たな一歩を踏み出しました。
コロナ禍で思うように事業や活動ができなかった約2年分の想いも込めて、活発なJC運動を展開していきます。
そのためには、会員同士の絆を更に深め、志一つに団結の力を強くしていく必要があります。
育ってきた環境はそれぞれ異なるとは思いますが、宮古島を大切に想い、より良い未来を子どもたちに残していきたい、そういう熱いメンバーが揃っていると思います。
互いをポジティブに刺激し合い、会員全員が成長し、希望溢れる宮古島の未来を創るために共に歩んでいきましょう