第59代理事長所信

第59代理事長所信

2020年度スローガン

漸進、今ここから!想いを紡ぐ為に、変革を起こそう!

第59代理事長 多宇 陽祐

はじめに

 私が4歳の時、家族と共に生まれたこの島を出て、それからはずっと浦添で生活をしていました。22歳の時に父親が勤めていた宮古の叔父の会社が人手不足で仕事が回らないとの事で、一緒に働いてほしいと言われた事が宮古島に戻ったきっかけでした。しかしながら、この時の私の心の故郷は学生時代を過ごした浦添でした。友人も知人も居ない、自分の生まれ故郷である宮古島を知らない私にとって、ここでの生活に慣れるには時間が必要でした。宮古に戻ってきてから8年目のある日、先輩2人が私を訪ねて来てくれ、宮古JCに入会する事になりました。入会した当初は活動内容も意義も分からず、会への出席は消極的でした。2年目のある定例会で急に当時の理事長からJC杯少年野球大会の実行委員長を指名され、その時の正直な心境としては「なぜ、急に私に降ってきたのか…私にできるのか…」という戸惑いが強かったことを覚えています。しかし、この頃私の中には「生まれ故郷の宮古島の為に何か頑張ってみたい」という想いが芽生えていたのは確かで、いただいたこのチャンスを無駄にはしたくないと思い、チャレンジする事にしました。たくさん迷惑をかけたかもしれませんが、メンバーに支えられながらなんとか事業を終えた時、私には宮古JCにたくさんの仲間がいる事に気が付きました。
宮古JCに入会して8年、活動を通して、多くの仲間と学びを頂き、この経験を繋げていくために2020年度第59代理事長の役を仰せつかりました。

私自身も宮古島もそれらを取り巻く環境も変化してきました。国連の報告を引くまでも無く世界は少しずつ良い方向に進んでおり、それはこの宮古島も例外ではありません。伊良部大橋の開通以来、下地島空港開業、メディアへの露出増、ホテルを始めとする建設ラッシュ、それらに付随して賃貸物件は入居率100%近くを推移し、飲食店も連日行列が形成され、観光産業は好調を維持し続けておりますが、その陰でオーバーツーリズムや全国ワースト4の中抜き構造等解決すべき課題が発生しています。宮古青年会議所は宮古島の好調な観光産業の流れに乗るべく、「漸進、今ここから!~想いを紡ぐため、変革を起こそう~」をスローガンに魅力ある事業を通して地域に発信し続け、日本本会が昨年から推奨している「ビジネスの機会」を取り入れ、持続可能で自立型経済を目標とした誰一人取り残さない宮古島を目指します。

H&M委員会

 近年、宮古島では航空路線やクルーズ船寄港の増加により観光客数が増加の一途を辿り、観光客数は114万人を突破、5年連続で過去最大を更新しています。
また、移住者数も増え社会人口増となっています。
ゴミの不法投棄や生活排水などにより、宮古島の観光資源である美しい海が本来のかたちを変えつつあります。
宮古島の人材育成、まちづくりを担うH&M委員会では持続可能な島づくりを目指します。
宮古島夏祭り東西大綱引きでは例年の祭りの勢いを落とすことの無いように盛り上げ、また各地青年会と共に大綱を各々の手で編んでいきます。
宮古青年会議所は、若い会員が増え、全体として元気で勢いと活気のある仲間が集まっています。しかし、一人ひとりを見ると、それぞれの得意分野を広げ、より多角的に物事を見ることのできる人材に成長する必要があります。近年、職業や働き方の多様性が認められる時代になってきました。仕事の進め方自体を時代に合わせて変えていかなければなりません。その中で我々は青年経済人として、伸びやかさを持った人材へと成長していく必要があります。私は、すべての会員に、より視野を拡げ、感性や人間性の幅を拡げてほしいと願っています。これは市民や青少年も例外ではなく、41年継続事業としてきましたJC杯少年野球大会も変革の時期に来ています。個々を知ることで、より一層他人を理解し思いやる気持ち、仲間と達成する喜びを育む為、野球大会から野球競技大会へ手法を変え自立心を芽生えさせる事業を行います。

A&E委員会(Anniversary&Expansion)

 宮古青年会議所は来年設立60周年になります。半世紀以上も続いてきたこの組織の成り立ちや歴史、行ってきた事業が地域にどのような影響を与えてきたのか調べ、現在行っているJC運動の原点を見つめ直すような機会を作りたいと考えます。記念事業に活かせられるように準備をして参ります。またこれからの宮古青年会議所を成長させ、継続させていく為にも会員が必要です。本年度は会員34%増の拡大も同時に達成します。

総務広報委員会

 青年会議所の年間の活動は、多岐に渡ります。現役会員一人ひとりが、全力で活動ができるように、組織運営の基盤としてさまざまな活動をサポートする体制を強化します。まずは、多様化する情報社会の中で、より多くの方々に我々の活動が発信できるよう、積極的な広報活動を行います。そして、このまちにある身近で信頼できる青年団体として、対外的にも今まで以上の存在感を創出し、期待と信頼を得られる団体へと成長します。また、入会歴の浅い会員比率が増加しているなか、より丁寧で温かみのある組織運営を目指します。更に規律や秩序の順守を促すことにより、会員に青年会議所の本質を再確認していただき、円滑な組織運営とLOMの発展に繋がると確信します。
私たちには、日本青年会議所をはじめ、沖縄地区協議会、沖縄ブロック協議会など、多くの出会いと学びの機会が与えられています。現在の宮古青年会議所のメンバーは、それぞれが自分に誇りをもてる得意分野をもち、それを生業として仕事をしていますが、更に外に目を向ければ、自分が全く触れてこなかった世界が無限に広がっているのです。LOMの外に出て活動をすることは、違う文化に触れる経験ともいえるでしょう。その貴重な経験をできるだけ多くのメンバーに体感してもらうことは重要なことと考え、普段宮古を出る機会の少ない会員が新たなきっかけをつかむ定例会を那覇で開催します。
そして、私たちは市民としてJAYCEEとして、事業の告知や会員拡大のPRとともに、常日頃から地域住民に向けて我々の存在意義を発信し続けていきます。

会員拡大と資質向上

我々が、JCに入会した目的は何でしょうか。入会の目的や動機は人それぞれだと思います。時代は目まぐるしい勢いで流れ、我々は変化に対応しながら活動や運動を行って参りましたが、その礎はJC三信条だと考えます。ですが昨今では、本来であればJC三信条のもと長い時間をかけて成長していけるはずであったメンバーも、会員数の減少に伴い、入会後短い時間での成熟が余儀なくされています。 そのためにも、本年もJCIセミナーを開催いたします。また、会員拡大を意欲的、効率的に行っていくために、本年は、例年にはない拡大手法を模索し、明確な目標を定め実行します。会員・会員家族の交流を促し結束力を強化していくことで更なる組織への満足度や意識向上に努めて行く必要があります。

結びに

 59年もの時を連綿と続く由緒正しい宮古青年会議所の理事長という、名誉ある大役として新しい1年を紡げることを嬉しく思いながら、喜びと責任の重さを感じておりますが、同じ時代に生まれ、同じ地域で育ち、同じ志を持った仲間が集うこの素晴らしい組織を、さらに強く熱く輝けるものにしてゆくため、「漸進、今ここから!~想いを紡ぐ為に、変革を起こそう!~」のスローガンのもと、一年間全身全霊で駆け抜ける所存です。、私自身2012年に入会し、入会当初は知識も経験もない中で、先が見えないながらも、先輩方からの厳しくも温かい助言や、仲間からの力強い支えをいただけたのは、信念と熱意があったからだと感じています。会員全員が楽しく学べる宮古青年会議所への実現を目指し精一杯の恩返しをお誓い申し上げ、私からの所信と変えさせていただきます。

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