社団法人 宮古青年会議所  
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第57代理事長 池間 正樹

 

はじめに
「われわれはこの集いが政治思想等に介入することでなく、将来の宮古の経済界を担うものとしての自負と自信をもち強固な団結、つよい社会的勢力となって社会をわれわれ青年の望むよりよい方向にもっていくことこそ根本目標であり又会員の友情を一層ふかめ、社会奉仕を共に切磋琢磨し、互いに激励し合い真の宮古経済発展に役立つという精神で邁進したいと思います。」 これは、1962年、宮古青年会議所が設立された際の趣意書に記された一文です。設立から半世紀が過ぎた今、先輩方が当時の趣旨を一貫し、地域に根ざした運動を展開してこられたからこそ、小さな宮古島はまるで都会のように不便を感じない社会へと変化しました。先輩方の思いは、今日に至るまで受け継がれていると私は確信しており、それは、仲間達の希望にあふれる言葉や、互いの成長や成功を共に喜び称え合う姿など多くの場面で感じることができます。
 私がJCの扉を開いて間もないころ、一人の先輩から「JCは自ら参加すべき」とご教示いただきました。しかし、言われたがまま事業や例会に参加するも、組織の存在意義をはじめ、己の成長に対して疑問さえ感じていた時期がありました。暗中模索で時に思惑通りにならない不満や違和感との間で葛藤を繰り返し、ようやく辿り着いた答えは「活動の中に自分の存在を刻む」ということでした。ただその場に居るだけでなく、自ら率先して役割を探し出し行動していくなかで、JCの三信条である「修練・奉仕・友情」の一つひとつが線でつながった感覚を忘れることはできません。これまで受け継がれてきた文化があってこその気付きに感謝し、そして、多くの先輩方の輝かしい功績に敬意を表し、我々は国際化や高度情報化の進むこの島の将来を担う青年経済人として、時代の流れに沿った新たな一歩を踏み出さなければなりません。

 
「調和」を目指した運動の展開
 私の父は囲碁を職業とし、その道を極めるべく昼夜を問わず碁盤に向かう寡黙な人です。そんな父は、昭和最強とも言われた棋士・呉清源の思想である「六合の碁」から、様々な局面においてバランスを取り調和を目指しなさいと常々話しています。六合とは碁盤全体を天地と東西南北から立体的に見る考え方です。天地を未来と過去の時間軸に、そして、東西南北を人、政治、経済、社会と言い換えれば、我々のJC運動は全体の調和を目指すことで互いに影響し合い、ひいてはこの島の将来を少しでも良い方向へ導くことができるのではないでしょうか。

 

可能性を求めたまちづくり
 沖縄県では入域観光客数が4年連続で過去最高を更新しており、宮古島においても昨年度は市としての目標であった80万人を突破し、100万人の大台も目前の状態となっています。これまで島民の誰もが経験したことのない未知の領域に踏み込んでいるのです。航空路線の増便はもとより、海外クルーズ船の寄港回数が爆発的に伸びたことが要因となり、海路の入域観光客数が初めて空路を上回る月もあるなど、観光をめぐる数値においては最高値を記録するばかりです。しかし、受入体制が十分とは言えないこの島の現状では、一部の島民から外国人観光客を拒む声があることも事実です。東アジアをはじめ、世界から注目を浴びようとしている今を好機と捉え、島民の多くが豊かさを感じながら、地域の発展へとつなげることは可能なはずです。そのきっかけとなるように、今後更なるインバウンド需要の拡大に向けて、島の物産や文化、歴史をピーアールできる事業を展開し、そして、事業から得た確実なデータをもとに、島民の意識改革に取り組んでまいります。次に、継続事業である宮古島夏まつり東西大綱引きでは、島の風物詩として島民や島外から移住された方々の交流の場となるよう、毎回ご協力をいただく各青年団体とこれまでよりも深い結びつきを持って連携を図ります。

 

地域社会に自ら関心を持ち、活力溢れるひとづくり
 インターネットがごく普通のインフラと化し、変化の激しい近年において、次なる革命となるのはAI時代の到来でしょう。将来的にほとんどの仕事がAIに変わるとも言われ、更なる人工知能の劇的な進化によって人間の能力を超えるシンギュラリティも予想されています。そういったなか、未来ある子ども達に、我々は何を伝えていくべきでしょうか。小さな島ゆえの人とのつながり、思いやり、気遣いといった「和」の心を大切にできる人財こそ、0か1かでしか情報を処理できないAIとは一線を画すと考えます。これらは仲間が基本となるスポーツを通して心得る部分も多いのではないでしょうか。単なる勝ち負けの結果ではなく、互いに成長し人間としての価値観を育む場を創ることを目的に、継承事業であるJC杯少年野球大会を開催します。今回で40回大会の節目を迎え、子ども達にはより広く深い交流を持って大いに学び楽しんでいただき、心身ともに壮健な青少年の育成に取り組みます。また、憲法改正により公職選挙の選挙権年齢が18歳以上に引き下がった今、将来有権者となる子ども達には、地域の経済と社会の成り立ちを学んでいただき、知見を広げる必要があります。そこで、子ども達に対して政治を理解するきっかけを与え、政治に参加しやすい環境を整え、将来的に明るい豊かな社会の実現に向けて自ら行動する人財の育成を目的に政策リテラシーの向上を図る事業を展開してまいります。

 

生産性を意識した会員の資質向上と拡大
 宮古青年会議所の会員数は、年々減少の一途を辿りピーク時の半数近くにまで減少しています。魅力のある運動は会員の力あってのものです。これまで、先輩諸兄が築いてこられた輝かしい歴史と伝統を再確認し、その時代における行動と責任の重みを感じ、我々の今後の運動も社会に大きな影響を与えなければなりません。それには、私自身も、そして組織としても決して現状に満足することなく、責任世代として思考と行動を果敢に見直し、宮古島がより良い街となるための運動を展開し、地域に広く周知させることが必要だと考えます。現会員においてはJCI SEMINAR PROGRAMを導入し各々が志の高い品格ある青年であるよう資質向上に努めると同時に、ITツールを存分に活用することで、一人ひとりの生産性を高め、情報の共有と発信のスピードアップを図ります。そして、広報媒体を例年以上に活用し我々の運動と活動を周知させ、自らの足で地域の青年経済人を探し出す努力をも忘れずに会員の拡大を行います。
 
 

結びに
 私は、JC活動・宮古青年会議所が単純に好きだからこそ、これからも会員・先輩方の一人ひとりから学びを得て、そして、苦しみは成長のための試練であると考え、「難有り、有難し」の精神を持って積極的に活動に邁進する所存でございます。会員皆で他者を思いやる豊かな心を育み、「ありがとう」の言葉が飛び交う組織を目指し、組織からその効果を対外へと波及させ、我々の住むこの島が少しでも明るい豊かな社会となるよう全力で努めてまいります。
 
 

[ 基本方針 ]
・観光産業の整備促進と意識改革への取組み
・未来を担う子ども達への新たな育成事業
・会員の資質向上とIT活用による生産性の向上
・行動で示す会員拡大


 
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